スマートグラスの現場活用入門①―記憶・勘に頼る時代を卒業―スマートグラスで「探さない」ピッキングへ
はじめに
棚の前で迷う数十秒は、1日の終わりに何千秒にもふくらみます。バーコード/QRコードをVuzixのスマートグラスで読み取るだけで、「次に向かう場所・数量・品名」に加え、「現在位置から目的地までのルート」と「対象商品の入荷予定(ETA)」が両手をふさがずに視界へ重ねて表示されます。これにより、ピッキングは「記憶や勘を頼りに、棚の中から探す仕事」ではなく、本来の「指定されたものを確実に取る仕事」に戻ります。本コラムではとある配送センターをユースケースに、実際の画面に沿って体験の流れと時間短縮の仕組みを解説します。
この記事でわかること
- 物流・倉庫でのスマートグラスの具体的な使い方(ピッキング・補充・検品・クロスドック)を把握できます
- 現場画面の見え方(場所・数量・ルート・棚面・ETA)がイメージできます。
この記事はこんな方に向けています
- スマートグラスの現場導入を検討されている方
- 物流・配送センター・流通店舗のDXを推進されている方
- 探索時間・取り違い・教育工数に課題をお持ちの方
- Vuzix M400やスマートグラスに興味がある方
- ムクイルのスマートグラスソリューションに関心をお持ちの方
Vuzixのスマートグラスの特徴

Vuzix M400は、産業向けの片眼タイプスマートグラスです。Androidベースで動作し、現場に必要な次の機能を備えています。
- バーコード・QRコードの読み取り
- 写真・動画の記録(トレーニングやナレッジ共有に活用できます)
- 音声・ボタンによるハンズフリー操作
- Teams・Zoomなどを使った遠隔支援との連携
また、ヘルメットや保護メガネと併用できるマウントも用意されており、物流倉庫や製造現場などのハードな環境でも使いやすい設計になっています。
※詳しくはムクイルのVuzix紹介ページをご覧ください
なぜ「探さない」だけで時間が短縮されるのか
現場作業が遅く見えるのは、作業者のせいではありません。通路の折り返し、似た棚の並び、ラベルの表記揺れ――小さな迷いが積み重なり、1明細あたり数十秒の探索時間を生みます。視界に「通路→棚→ビン」の順で位置情報を固定し、数量と品名を同じ画面で提示するだけで、確認と移動の切り替えが一拍で済み、棚前の滞在時間が減ります。
その結果、遠回りや再確認が抑えられ、1明細あたりの処理時間が確実に短縮されます。この短縮は明細数に比例して累積するため、シフト全体の作業時間の短縮に直結します。
ユースケース:配送センターのとある一日
登場人物は入社3日目のピッカーAさんです。作業者は、下の様な通路や棚に貼ったロケーションラベルを読み取ることから作業が始まります。

読み取りが終わると、次に向かうべき場所が「通路→棚→ビン」の固定順で表示され、同じ画面で数量と品名を確認できます。

歩き出すと、現在地から目的地までの簡易マップが視界に重なり、折り返しやショートカットの判断が直感的になります。棚の前では該当の段・ビンが強調表示され、取り違いを防ぎます。これにより、棚前の滞在時間を短縮できます。

必要なときは入荷予定や追跡番号もすぐ参照でき、欠品や遅延の説明がその場で完結します。操作は「見る→向かう→取る→確かめる」の繰り返しです。

Aさんはこの流れを繰り返すだけで、探索のやり直しが1明細あたり30秒から10秒未満になりました。このように、件数に比例してシフト全体の作業時間が縮みます。
いつもの現場が、こう変わります
- 教育:新人・外国籍の方でも、画面指示に従うだけで当日から戦力化しやすくなります。
- 動線:通路レベルの簡易マップで遠回り・行き過ぎが減り、往復が抑えられます。
- 棚前:段・ビンの強調表示で取り違いと再確認が減ります。
- 例外対応:ETA・追跡情報を視界で確認し、代替・繰延の判断まで現場で完結します。
まとめ
スマートグラスとQRの組み合わせは、目に見える大改革ではありませんが、日々の「迷子の瞬間」を静かに消していきます。視界に「どこへ・何を・いくつ」を表示するだけで、現場の作業は「探す」から「取る」へ戻ります。さらに、位置案内・数量提示・棚面の強調・ETA参照がひと続きになることで、再確認や遠回りが減り、棚前の滞在時間も短縮されます。
このようにスマートグラスを現場に導入することで、取り違いや教育負荷の軽減を実現しながら、ピッキングの処理時間とシフト全体の作業時間が短縮することができます。
ムクイルについて
株式会社ムクイルでは、Vuzixスマートグラスを用いた「探さないピッキング」ソリューションのデモや小規模PoCのご相談を承っています。「自社の倉庫レイアウトでも効果が出るのか知りたい」「既存システムとどう連携できるかを相談したい」といったご質問があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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